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May 01, 2004

卵めし

 子どものころ、運動会当日の朝、朝ごはんは必ず卵めしだった。速く走れるように、これを食べて力をつけていけ、といった母親の願いが部屋全体に充満した食事だったように思う。そして、口のまわりに卵の黄色をくっつけて、そのまま体操服で学校へ駆け出していったのである。

 そのころ親戚の叔父さんが「あのな、速く走るにはな、バフンを踏むといいぞ」などと教えてくれたりしていたのだが、ぼくの子どものころはもう馬糞がどこにでもある、という時代ではなくなっていたので、残念ながらこれは実行できずに終わってしまった。

 その朝ごはんの卵めしは、母がみんなのぶんを一気にドンブリで作っていた。ラーメンどんぶりにご飯をよそって、そこに生卵2ケを割り入れ、ショー油をかけてかき回し、出来上がったのを自分たちの茶碗によそってもらうのである。

 今夜、晩めしのおかわりで作った一人ぶんの卵めしを食いながら、そんなことを思い出した。ほんの少しだけ昔の、過敏症や花粉症などという言葉がまだ耳慣れない時代の、卵めしの味である。(K)

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Comments

また昔話だけど…
昔ここの管理人がどこかの食堂で見たという、肉体労働者風おやじの卵めし食いの話を思い出した。
左手にどんぶりめし、片手で卵を割り入れ、割り箸を右手と歯で割って、混ぜるというよりチャッチャッチャッと3回ほど箸で卵を崩しただけのところに、しょうゆをさらっとかけて、ワシワシと一度もどんぶりをテーブルに置かずに食う姿が、なんともカッコよかった。というようなものだが、ワシの記憶なので色々変質してるかも知れんね。

Posted by: しゅうじ | May 11, 2004 at 09:11 PM

↑この記憶、変質などしておらず、確かに言った。このカッコよさはいまでも憧れているのよ。だってそうでしょう、「卵めし」なんていうのは、かき込んで食うものではないか。だから、これでいいのです。
よく別の器で生卵を丁寧に溶いてからショーユをたらしたものを、きっちりごはんにかける、というヒトがいるけど、ありゃあ美意識が違うか、無いかだな、と思ったりするね。最近は口に出して言わないけど…。

Posted by: たはら | May 11, 2004 at 10:49 PM

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